Peleiades

※事の発端はTwitter。
「一番目にリプきたキャラから二番目にリプきたキャラが寝取る」
というタグを付けた所、一番目に目隠し、そして二番目にあるキャラの指定を頂きました。
与えられたお題を私は精一杯やりました。私なりに、精一杯やりました。
しかしながら、指定キャラが指定キャラだったもので、かなり危険なものとなっております。
わざわざこのように長々と語っているのはその為です。お察し下さい。
尚、この話についての意見、感想、誹謗中傷は受け付けません。
そして、目隠しという言葉に 絶 対 釣られないで下さい。以上です。










こんなことする必要性は決して高くなかった。
僕の目的を達成する為に、原住民の調査はしておいた方が良いとは思ったが、近づきすぎる事は逆に僕の障害となりかねないとも思っていた。
出来れば何かの集団に属し、この世界を生きる者達の調査が可能な程度の程良い距離感を保っていたかった。

「好きです。付き合って下さい」

この世界基準に照らし合わせると、比較的可愛い部類に入る女性に突然の交際を申し込まれた時、僕はつい「いいよ」と言った。
別段興味を持っていたわけでは無い。勿論異性に対する好意だって無い。
それでも彼女の交際申し込みを了承したのは、なんとなくといういい加減な思いから。
特殊な関係になる事で、何か見える事があるかもしれない。
よく見える両目で僕は彼女を見ていこうと思った。
その笑顔を、その膨れ面を、泣き顔を、照れた顔を。
彼女は良いサンプルだった。
成程、一定の距離を保つだけでは、この世界の住人の事は判らない。

もっと知りたい、その為にももっと共に居たい、他の者に見せるくらいなら自分に見せて欲しい。
彼女の全てを手中に収めたいと思ってしまったと同時に、僕はこの世界に完全に毒されてしまったと思う。
ああ、神め、やられたよ、君の作った世界は秀逸だ。
こんなに僕を魅了してしまうのだから。君の創造の力、誇ると良い。

さて、この僕を魅了した彼女について語ろうか。
そう嫌がるなよ。なんだか話していて楽しいんだ。
彼女の事なら、このリサリシア、一昼夜を超えて語る事が出来ると自信を持って言える。

僕の彼女だが、見た目はこの世界の一大勢力であるニンゲンによく似ていたが、ニンゲンでは無かった。
体の内部組織はニンゲンと同様であるが、彼女の聴覚器官はニンゲンの倍以上肥大化し、そして体毛が恐ろしく濃かった。
それは、この世界にいるウサギという生き物にそっくりだった。
聴覚能力もウサギと同じく発達しており、彼女は遠くの物音も正確に捉えた。

例えば僕が彼女の家を訪ねる時。
僕が扉を開ける前に、満面の笑みを浮かべた彼女が玄関から飛び出すのだ。
「リサ、あなたの足音を聞いたらいても立ってもいられなくなったの」
そんなのたった数秒の違いだ。何もそこまでしなくとも。
だが僕は「ありがとう。君に会えて嬉しいよ」と言い、彼女の家に招かれるのだった。

今日もまた、そうだった。
そうなるはずだった。



「へ、へぇ……これはまた……凄いね」

出迎えられなかったので、彼女は何か手が離せないんじゃないかと思った。
食事時だったし、もしかしてその用意で忙しいのかもしれない。
それなら僕も何か手伝ってあげようかなと思ったんだけど……。

「んー。僕ってお邪魔虫?」

彼女は……その……所謂、性交と呼ばれる行為を行っていた。
ピンクのウサギと。しかもとびっきりファンシーな。
そして……僕の視覚情報が正しければ女の子のように、思えるんだけど……。

「っ……はっ……」

床に四つん這いになった彼女は股からファンシーピンクが生えていた。
雨や海の様な滑らかな水ではなく、ナメクジのような粘っこい液体音が部屋中に響いている所から察するに、ウサギの手は彼女の女性器の中に入っているんだろうね。
ほうほう、それで喘いでるって訳……ね。
どう言う事なんだろうね。流石の僕でも処理が追いつかないよ。

「おにいちゃん、こんにちは。こんなに早いと思わなかった」
「あ、あのさ……どういう状況?」
「早く早く!」

ピンクウサギが彼女から腕を抜き取り、その粘液で汚れた手のまま僕の服を脱がそうとした。

「な、ななんなんだ!?」

汚い、と直感的にウサギを振り払った。
幼いであろうピンクウサギは僕の力に耐えきれず尻餅をついたが、可哀相とは思えなかった。

「いたたた……どうしたの?」
「君こそおかしいでしょう!?」
「なんで?……したくならないの?」
「プリティー駄目よ。その人不能なの」

乱れ髪をかきあげながら、彼女はのっそりと起き上がった。

「リサは次世代に繋げる気がない」

辛辣なお言葉だね。流石の僕でも傷つくよ。
それにしてもなんだい。
なんで僕が怒られてるのかよく判らないんだけど。
頭を捻る僕に対し、プリなんとかと呼ばれたピンクウサギは首を傾げた。

「交尾しないの?変なの」
「変なのは君たちだろう?両性具有じゃない君たちが、
 同性同士で性行為を行うなんて子孫繁栄には繋がらない無意味な行為だと思うけど?」
「どうして?」
「どうしてって……判るだろう?」
「放っておきましょう。続きを」

ピンクウサギは「そうね」と言うとまた彼女の秘部へ手を滑らせた。
動物らしい毛だらけ腕をよくもまぁ、身体のデリケートな部分で受け入れられるものだ。
馬鹿みたいに嬌声をあげている彼女の神経を疑う。
こうして僕が傍に居るっていうのに、お構いなしで始めるってどうなの。

異様な状況であっても反射的に理解しなきゃという義務感に襲われるが、僕の頭は面白いくらいに停止している。
何も言えず、ただ獣がヒト型の獣を犯す様子を眺めていた。
これが彼女。僕を好きだと言ってくれた人なのか。
見た目がそっくりな別の人という可能性も……。

「おにいちゃんはなんともないの?」

淫獣は彼女……にとてもよく似た女性を座らせ開脚させると、秘肉を掻き分け蜜壺を僕に見せた。
白く泡立った蜜が襞を伝い、秘穴を濡らし、失禁したかのように床を汚している。
それを見た僕の正直な感想は、汚らしいと、ただそれだけだった。

「無理よ。駄目。全然駄目。リサは放っておいて。
 そんなことより早く、早く、イカせて!」
「あらあら、うふふ」

あの淫獣、ファンシースマイルしながら、女性の胸部引っ掴んで、秘所へ腕を出し入れしている。
じゅるじゅると腕が行き来する音に吐き気を催す。
そんな中、周囲に生き物の気配がぽつぽつと増えていく。
どういうことだ。

「あら!たくさん集まったわ!」
「きてる?いっぱい、ん、男の人、してくれる?
 私の中にいっぱいせーし、そそいでく、れるっ、んふぁああああ」

と、甲高い声を上げながら女性はぐったりと平伏し、汗が浮かぶ肩を揺らしている。

「これなら絶対大丈夫。
 良いおとうさんになってくれる人がこの中にならいるよ!」

それってなに。
もしかしてだけど、ここで始めるの?
複数生じたこの殺気立ってる気配は全部男?
こういうのって乱交っていうんだっけ?嘘ぉ……。

「信じられないって顔してる。ねぇ、リサ」

頬も胸も上気させた女が気持ち悪く僕に話しかけた。
よくもまぁそうもはしたなく足を広げられるものだね。
口の周りも唾液でいっぱいだよ。早く拭いたらどう?

「貴方がいけないのよ。
 貴方が強そうだから良かったのに。
 強い精子いっぱい流し込んでくれると思ったのに。
 強すぎる個体ってそれだけで自己完結しちゃうから駄目だったのね。
 結局私、本来の種族と遺伝子交換するしかないなんて」
「あ、あのさ、そんなにしたいの?」

ここでの一番の疑問はそれだ。
性行為というものは単なる繁殖行動じゃないとニンゲンと接して学んだのだけれど。
肉体の交わりだけでもなく、もっと無形な何かが交わるものだと。
すると、彼女は僕の疑問をバッサリ切った。

「したいとか、したくないとかじゃないでしょ。
 するの。生きる為に。子供を作る為に。私の血を絶やさぬ為に」

理解出来ない。僕は女を理解する努力を放棄した。
だってさ、子孫を残したいという欲求が強すぎないか。
次の時代に生き残ることが出来る子孫作りの為に複数の雄と交尾するんだろ。
女の子の身体は大事に、とか、優しく接して、とか、今まで僕にそう生き物の男女を教えてくれたのはいったい何だったの。
寄ってたかって、僕に嘘を教えてたのかい。
見損なったよ全く。おい、この世界の創造主!
君って意地が悪いね、腹が黒すぎるよ!

「こんなに集まるなんて、すっごく良い匂いが森じゅうに広がってる証拠ね」

匂い?
そういえば、準備が云々と言っていた。
というのはこの濃厚な性の匂いにつられて雄たちはやってきている訳か。
成程ね。だから雄と始める前に淫獣が愛撫していたというわけか。

「ハーフだから不安だったけど、プリティーのお陰ね」
「うん、頑張ったよ!だって、そのうちプリティーもいっぱいしてもらうんだもん。
 男の人にいっぱい出してもらっていっぱい赤ちゃん産むの!」

はは……この淫獣見かけ通りならまだ幼いだろう。
それなのにこんな発言が出るとは。
兎界って性教育がしっかりしてるんだね。
やれやれ、これが弱い草食動物の生き残る道か。
興味深いけど、僕とは相入れないね。

「僕は失礼するよ。悪かったね、君たちみたいに種族繁栄に貪欲でなくて」

雄の気配は近い。数分後には、二人で笑いあったあの家で子種をばら撒きたくてしょうがない獣達に犯されるんだろう。
それを喜びにする奴らだ。
あの人は白濁液に塗れながらうっとりとしているだろうね。
子宮に何十億もの精子を注がれ、その中で一番生存欲が強いものが卵子とくっ付き、受精するのだろう。

なんだろうね。
生き物としては当たり前の事なんだけど、蔑んで見てしまう僕がいる。

今まで接してきた生き物ってこんなに気持ち悪いものだったんだね。
そんな生き物が蔓延しているこの世界って凄く汚い。
汚すぎて見てられない。見たくない。見る価値がない。



僕は森を去った後、汚染された両目を潰した。
何も見えないままならば生き物と接していても苦痛はない。
でも、一つだけ我慢ならないことがある。

「ごめんね。女の子は嫌いなんだ」





fin. (14/03/25)