「影ちゃん、ちょっと見てもらいたいものがあるの。来てくれる?」
「ハイ。マスター少し外しますネ」
「ああ。好きにしな」

と影は、 の自室へ入り、ウォークインクローゼット内でしゃがんだ。

「あのね、キングさんやマリィさんがMZDのお祝いしようよって動いてる」
「ヤハリ……」
「ジュディさんとショルキーさんも参加してた。多分、もっといっぱい」
「いつ、するようなのですか?」
「それが、朝からずっと……」
「は、はい?朝?……それは真デスか?」

驚きのあまり、思わず影は聞き返した。

「ほら、人によって空いてる時間ってバラバラじゃない?
特にMZDに関わる人って有名な方ばかりで忙しいし……だからだって」
「ナルホド……」

一人と一影は悩む。

「……丸一日MZDが行っちゃうって……」
「人望の表れデスね……凄いデス」



「「…………」」



「……ふふふー。いいこと思いついた」
「とは?」
「この家は黒ちゃんの思い通りになる異次元だよ。だったら、私もこのお家に干渉出来る。
 そして、時間をちょーっと止めちゃえばいいんだよ」
「で、ですが、 サンは人間ですヨ!不用意に時間を止めてはイケマセン!」
「大丈夫だって。今まで無意識に身体の成長は止めてたわけだし。
 後、魔族の方々でそういう攻撃してきた人いたし」
「そうですか。……で、 サンそのような危ないコトもしていたのデスか?」
(言わなきゃ良かった)それよりも!早く話さないと黒ちゃんに怪しまれるよ!」
「そうですね。
 時間停止の長さについてはコチラが決めマス。
 貴女のお身体に支障がない時間を算出いたしマス」
「はーい。じゃ、時間はこれで問題なしだね」

小言から逃れたことにほっとする であった。




「他は何があるでショウ?」
「うーん。あ、台所についてはおじさんがいいよって!」
「そうデスか。こちらもあまり設備を変えずに出来る料理を考えましたので、
  サンの手をあまり煩わせずにすみそうデス」
「すっごーい!」



「後はお金かなぁ。やっぱり何をするにも必要だよネ」
「困りましタ。私もそれについては……」
「……ヴィルに交渉してみよっかな」
「あのお方にデスか?やめておいた方が……」
「前聞いた時はね、普通の依頼内容だったの。血みどろじゃなくて。
 そういうのあるかもしれないから。ちょっと聞いてみる」
「デスが……」
「大丈夫だよ。ヴィルもそこまで人でなしじゃないもん」
「後日面倒なことを押し付けられそうですガ……」
「今はいいよ。とにかく私は今回のことは成功させたいから」



!影!お前らいつまで篭ってんだよ!」

部屋の扉の外から、黒神の苛立つ声が聞こえてくる。



「う。早く出よう」


一人と一影は何事もなかったかのように、しれっと部屋を出た。




「なーんか最近、二人とも変なんだよな……」→